バーデン・バーデンの西側は丘,そして東側は山。朝日が遅いのは谷間の町の宿命です。それでも,夜明けの時は,バーデン・バーデンの表情を知る一瞬のチャンスです。
小川沿いに続く緑地「リヒンテンターラー・アレー」に新しい陽が差し込み始めると,毎日欠かさす早朝の散歩を楽しむ人たちが,ひとり,ふたりと姿を現します。スマートな容姿を見せたいジョギング・ランナーも・・・。テイクアウトのコーヒーでも持って新聞を読みたいベンチは,緑園の一等地にあります。
オフィスなどが集まっている一角もないので,昼食時のランチメニューにあふれる人並みもゼロ,だからといってテイクアウトやスーパーもほんの数軒。
昼食時間を気にして滞在プランを練るよりも,カフェでもデパートでも行き当たりばったりの軽食が似合う小さな町です。
ですが,町の中は早い時刻に影に覆われます。夏時間の長い日暮れ時を満喫したいならば選択は2つ。
フランス側まで見渡す東側の丘か,街の南側にある広い緑地です。
少し頑張って坂道を上がるとフランスに沈む西日と国境地域の広い光景をたっぷりと臨めます。
または10分ほどオース小川沿いに南に歩いたところにある広い緑地なら,多くの市民の幸福そうな憩いの姿を見ながら,夕陽が斜めに差し込む絵画のような情景をゆったりと楽しめます。