白人専用トイレと有色人種用トイレ

目的地ではなくても,グレイハウンドバスが停まる町では一定の休憩時間があるのは有り難い。南部で初めて公衆トイレに行ったときは一瞬躊躇した。

しかし時期に迷わず入るようになった黒人用トイレ。黒人用といっても,通常は白人専用と有色人種用となっている。日本人は白人専用トイレを使用できることは聞いていたけれども,なぜか行きたくなかったので,いつも有色人種用を利用した。

白人専用トイレは見たことがないので分からないけれども,有色人種用はいつも汚く,洗面台は多くの縮れ毛がこびり付いていた。

悔しいけれども,アメリカという国はあらゆる面で戦後世代も惹き付けたことは否めないだろう。ナイーブさが多分に含まれながらも,物質の豊かさだけに惹かれたわけではない。

なかでも音楽の影響力は計り知れない。旅先で知り合った欧米の同年代の若者たちと共に中近東諸国を旅しながら感じたことは,英米の現代音楽に一緒に乗れる人たちとは,同じような価値感を分かち合えるということだ。と同時に,英米のポップロックが広まっていない国々の人と理解し合うのは大変だなと思い続けてきた。

アメリカの西海外と東海岸との間をかれこれ2回往復した。今思えば,もう少ししっかりと深く見るべきだったと後悔の念のほうが多いけれども,ミーハー的な旅日記もまぁひとつの見解だ。

アメリカ南部には幼いころから見聞きしてきた歌詞に出てくる場所が多い。
クラシック音楽はヨーロッパだけれども,1960年代までの現代音楽なら圧倒的にアメリカ南部かもしれない。
ナッシュヴィル,テネシー,ニューオーリンズ,ミシシッピー,セントルイスなど,アメリカのフォークソングの父のようなフォスターの曲から,ブルース,ロック,カントリーにいたるまで,南部の中央に集中している。集中しているといっても広大なアメリカでの集中だから千キロ程度の間隔はある。

残念ながら,要となる田舎や自然のなかを廻ることはできないのでグレイハウンドバスが走る都市間だけのかけっこ見学だ。

テネシー州境のメンフィスに入るミシシッピー川の広大さには驚いた。内陸でもこんなに広いならば,河口のあたりは海のようかもしれない。トム・ソーヤーがいたのはこんなところだったんだ。「風と共に去りぬ」や西部開拓の苦労の時代よりも古き良き時代のテネシーワルツ,ブルースのメッカよりもプレスリーのグレイスランドなどを思い浮かべながらも,どうしても行きたかったところはやはりカントリー音楽のディズニーランドのようなナッシュヴィルのgrand ole opry。

憧れの場所だったのに入ったとたんになぜか興味を失った。

やはりアメリカ的というか,とても作為的で,人工的なカントリー音楽の見世物だった。

今更ながら,ブルースのライブが聴ける場末の飲み屋でもないかと思っても,何の情報もないのでどこに向かったらいいか分からない。

ニューオーリンズでは町の中心まで歩いてゆくことができ,最も有名な中心街に自然と入った。聞こえてきたライブ音楽につられて入ったところは,ニューオーリンズで最も有名な場所で,ミュージシャンたちもニューオーリンズの主のような人たちだったことも,数年経った後,雑誌を見て分かった。

 

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